人間の歯、動物の歯

歯科衛生士の土方です。今日は私が担当します。

人間の歯は、生涯に一度だけ生え変わる「二生歯性」です。しかし、他の動物はまさに千差万別。生涯に何度も生え変わるものもあれば、すり減った分が伸びてくるものなど様々です。

サ メ …
多生歯性の代表です。現在使っている歯が、こぼれ落ちたり抜け落ちると、うしろに控えていた歯がベルトコンベア式に出てきます。トラサメなどは、10年間で2万4千の歯が生え変わったそうです。

リ ス …
合計22本あります。一対の門歯という歯をもっており、それを使って、くるみやどんぐりの皮をむいて食べます。門歯はエナメル質がないため内側が早くすり減り、ノミの刃のような形になります。そして、門歯だけは一生伸び続けるため、常にすり減らして適度な長さにしておかなくてはならないのです。放っておくと、1年に20センチも伸びるといわれています。

鳥 …
歯がないと思われがちですが、卵から雛にかえるときにだけ、上のくちばしの先に小さな突起物が存在します。それは、ふ化の時に卵の内側から殻を破るためのもので、卵歯と呼ばれています。

馬 …
6才になるまでに、すべて乳歯から永久歯に生え変わります。そしてその後は、1年に2ミリずつすり減っていきます。これが、「馬齢は歯をみればわかる」といわれる所以です。

歯は、動物によって本当に多種多様です。しかし、私たち人間は一生に一度しか歯が生え変わりません。そして、6才頃から永久歯に生え変わった後は、長い人生をその永久歯と共に過ごしていくことになるのです。そんなかけがえのない歯を、もっとよく知って大切にしてほしいと思います。