Ｓ君の自由研究

夏休みも後半に入った頃、毎月のSH装置チェックのために来院したS君と夏休みの宿題の話をした。自由研究がまだだという。歯並びを治しているS君に、e‐歯模型をプレゼントし、「歯の事を調べたら」なんて軽い気持ちで話をしたが、彼はにこっとして帰って行った。

今月…治療中、S君は何も言わなかったが、お母さんが自由研究を持ってきてくれた。スタッフ一同感激し、写真を撮らせていただいた。
SH療法を学んでいくと、いかに自分は歯だけしか見ていなかったと反省することが多い。歯科医はある意味で、職人のような才能も必要ではあると思うが、私は入れ歯屋ではない！凡人の私には、自分の歯のような素晴らしいものはできないと思う。だから、自分の歯を大切にして欲しいし、そのお手伝いをするのが歯科医療だと思っている。失ってから気づくことは多いが、それでは遅すぎる。研修に行かせていただいたスウェーデンでは、80才以上の残存歯は25本。日本はなんと8本。これは異常な現実ですよね。

S君のコメントから

かみ合わせが悪いと、体に栄養がいかないため、病気になりやすい。顔や体がゆがむ。歯のかみ合わせをよくすることは大切だと思いました。

歯並びがよいことは機能的にも大切なことだと思います。ご高齢の患者さんを診させていただくと、歯並びの悪い方は残存歯数が少ないように思います。だから私は、神様から頂いた大切な歯を残すお手伝いをしていきたいと思います。