2月の終わりから3月にかけて

SHTA台湾講演を終えて
(SHTAは私の属する勉強会の名称です。詳しくはHP http://www.shta.jp/をご覧ください)

2月の終わりから3月にかけて、私は本当に良く頑張ったと自分をほめてあげたい毎日でした。
いつも通りのお給料計算とレセプトに、確定申告と勉強会のスライド製作2つ…しかもそのひとつは台湾の歯科医相手のものでした。SHTAの理事をしているため、年に数回八重洲で講演をすることがあります。PCはメールやワードで簡単な資料を作るだけだった私が、SHTAで鍛えられスライドを作れるようになりました。

今回は、台湾の中国医薬大学で講演するにあたり、小児症例を私が担当することになりました。
困惑と同時に普通の開業医である私が、台湾の歯科医を相手に講演するという経験をさせていただくドキドキ感。しっかり与えられた仕事を果たさなければと強く思いました。
そして、言葉の壁のある先生方にどう伝えていけばいいのかと悩みに悩んで、英文も加えることにしました。
特別英語が得意なわけではありません。翻訳サイトや辞書を使って、夢中でやっているとすぐAM2時3時。夜中にPCは目に悪い、睡眠不足はお肌に悪い。でも、やり始めると止まらないのが私のいいような悪いようなところ…英語はカナダに留学していた知人にお願いし、チェックしていただきました。優ちゃん、大変お世話になりました。

疲れのピークに達していた私は、台湾講演前に恒例のリフレッシュ旅を以前から予定していました。「リフレッシュ旅」と言いますが、現実は「逃避の旅」なのですが。旅立つ前日にやっと申告書類を税理士さんに提出し、1時間30分の睡眠時間で出かけていきました。片手にスーツケース、片手にPC。もちろんPCはスライド製作のために。飛行機に乗れて気が緩んだのか、連日の無理がたたり、吐き続け…体調不良のまま1日目が過ぎました。ここで見事に復帰してしまうのが、きっと私がかわいくないところ。やはり元気になってしまうのです。部屋でゆっくりする時間にはせっせとPCとにらめっこ。何とか週末のスライドは形になってきました。仕事から逃避する目的なのに、リフレッシュできたようなそうでないような旅行でした。

帰国2日後にはSHTAのミニ講演を終え、後は台湾講演を残すのみ。
この先は自分の人生設計にありえないこと。どうなってしまうのか、全くわかりません。ただただ不安だけ…でも、始まってみると…遂時通訳をしてくださった余建宏准教授が本当にいい先生で、通訳しながら私の至らないところを補ってくださり、私は安心してお話しすることができました。台湾の先生方からも多くの質問があり、SHTA in Taiwanは星岡先生の思いが通じて無事に終了いたしました。
日々診療しながらのスライド作りは大変なストレスでしたが、普通の開業医ではありえない体験をさせていただき、星岡代表には感謝しております。また、いつも口腔内写真を上手に撮ってくださる長谷川歯科クリニックの歯科衛生士、下笠さん、別井さん、土方さん(ちなみに年齢順)にもこの場を借りてお礼申し上げます。いつもありがとうございます。

私には3度目の台湾でしたが夜市や故宮博物館にも行かず、小籠包も食べることなく、振り返ると観光は雨の九份に50分だけ。101も車窓から眺めました。でも、初めて訪れた台中は素朴なところで、また出会った人達がいい方ばかりで、ますます台湾を好きになっていました。
SHTAがこれから台湾の先生方に理解され、広まっていくことを心から願っています。

SHTAは健康を考えた治療です。高価な義歯を作ったり、インプラントを行ったり、抜歯をして審美的に歯並びをよくすることが本当によい医療なのでしょうか?医療というからには治療をしたことで健康にならなければいけません。口腔は目にも耳にも鼻にも咽頭喉頭にも影響を与える組織です。だからこそ、歯科医療は学べば学ぶほど奥が深く、生涯勉強であるとつくづく感じる毎日です。