大規模災害に備えて

衛生士の下笠です。

もうすぐ9年たつ東日本大震災の時には長谷川先生、衛生士の別井さん、古田さんは歯科支援のため現地を訪れています。
しかし、私はまだ子供が小学生だったため行くことが出来ませんでした。

地球温暖化の影響が現実的になっている最近の想定外の気象による災害。
そして地震。
もしも、そんな状況になってしまったら歯科衛生士として何ができるだろうという思いから大規模災害時における歯科保健医療体制の話を聞きに行ってきました。

災害が発生すると命の危険に直結する病気、けがそれに伴う衣食住が先に立ち口の中は後回しになります。
しかし衛生面から考えると72時間後から歯科支援は必要になります。理由はオーラルケアが出来ない口腔は菌の増殖が健康に影響するからです。特に寝たきりの方、フレイル傾向の高齢者は影響を受けやすいです。
実際、関連死の中で肺炎などの呼吸器系疾患で亡くなられた方は阪神淡路大震災で24%、熊本地震で28%と、割合は一番多いのです。
では子どもは大丈夫かといえばそうではありません。ストレスなどでダラダラ食べなどしていると虫歯のリスクは高まります。若い人も同じですし、歯周病も進むリスクもあります。共通して口腔内が不衛生になると感染症にも罹りやすくなります。

もしものために非常用持ち出し品の中に『歯ブラシなどの口腔ケア用品』を入れて下さい。
水が貴重になることが想定されるので希釈しないタイプのノンアルコールの洗口液や口腔用の洗浄シートも便利です。ダラダラ食べ対策としては100%キシリトールのガムやタブレットを準備するのもいいと思います。

災害に合わないことに越したことはないのですが、もしもの時に皆さんの口腔内が出来るだけ平常に近い状態でいられるよう願っています。

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