治療中心から予防中心へ

生涯にわたって自分の歯で食べられる幸せを味わって頂けるように削る・詰める・神経を抜く・被せる・やり直す… 最後は歯を抜くという現状の歯科治療。

予防歯科は特別な治療ではありません。その目的は、リスクを把握し、修正できるものは改善することです(発症前診断)。また、すでに発症した場合でも生体の抵抗力の範囲内にコントロールし、病気の進行を停止、または遅延させることです。

もともとある歯をきちんと残せるようにする事が一般開業医としての努めだと思っております。

みんなで歯磨き上手になろう、歯磨きすることは良い事だ!

虫歯で歯に穴が空き歯を削られたり、歯がぐらぐらになり噛めなくなって歯を抜いたり、誰だってこんな治療を望んではいませんよね。

虫歯や歯周病を予防するために、また初期の虫歯や歯周病の治療として、とても効果的なのは歯磨きです。

でも、患者さんの努力だけではどうしても磨けない部分があり、このような部分を歯科衛生士が管理し、どのようにしたらもっと綺麗な歯と歯肉になるのか一緒に考えたいと思います。

唾液検査について

  • 簡易検査料 … ¥3,300(¥3,000 + 10%)

虫歯も歯周病も細菌による感染症です。
お口の中には500~700の菌種が1gあたり1011個存在すると言われています。その中で虫歯に対して病原性が高いものは、SM菌(Streptococcus mutans)と言われ、歯に強い付着能力を持っています。

また、歯周病の代表菌は、P.g菌(Porphyromonas gingivalis)と言われており、もしこれらの菌が多いと、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

"今"問題がない方でも、環境の変化により簡単にお口の中の状況が変わることがあります。

これには目に見えないリスクが関わってきます。この見えない隠れたリスクを調べるために、唾液検査は有効です。

味のないガムを噛んでもらい、唾液の中に混じり込んだ菌を調べる検査です。当院では、スウェーデンなどの予防先進国で使用されている唾液検査デントカルトで、ミュータンス連鎖球菌やラクトバチラス菌、唾液緩衝能を調べています。

フッ素について

当医院では、永久歯のカリエスフリー(虫歯ゼロ)を目指し、予防に力をいれています。

虫歯予防に効果的な処置のひとつに「フッ化物の利用」があります。

フッ素の働きとして特に重要なのは、再石灰化の促進作用とフルオロアパタイトの生成です。現在、虫歯は、脱灰・再石灰化のバランスが崩れた時に起きることであると考えられています。目で見ることはできませんが、脱灰・再石灰化は、毎日の食事や間食のたびにお口のなかで起こっています。そのため、低濃度フッ化物を頻回に取り入れることが、予防効果を上げる方法の一つです。

ホームケアのための商品を販売していますので、ご活用ください。

PMTC 専門家による機械的な歯面清掃

むし歯も歯周病も、多因子性疾患です。

歯磨きや生活習慣の改善等の患者さんの努力だけでお口の中の状況を変えられない場合には、物理的除去(PMTC)を提案します。PMTC=Professional mechanical tooth cleaning の略であり、専門家による徹底した歯面清掃を意味します。

歯磨きでプラークの除去が最も難しいのは歯と歯の間であり、PMTCはこの部分を重点的に清掃・研磨していく事で、虫歯や歯周病を予防することが出来る効果的な方法です。

PMTC 専門家による機械的な歯面清掃
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