夏の楽しみ
豊田駅南口を八王子方向に向かい7,8分歩くと、ブルーベリーと書かれた旗が風になびいている。今年は何度足を運んだことだろう。
日に焼けるのが嫌で、リゾート地へ旅をしない私だけれど、ブルーベリーを摘みに行くときは、そんなことは言っていられない。日焼け止めを何層か塗り重ね、遮光率99,9%の帽子に長袖のシャツ、タオルに水。
最優先でブルーベリー摘みの時間を作り、休みのたびに出かけていく私を、娘は呆れ顔で送り出す。
ブルーベリーの木の下にもぐり、上を見上げてみる。涼しい風が心地よい。自分の目線だけで見ていると、大きな実はすでに無いように思われたが、目線が変わると結果は全く変わる。少しでも大きな実を見つけ、それを手にした時の幸福感はたとえようがない。
摘みながら、頭は仕事のことを思う。物事を先入観や、同じ方向からばかり見てはいけない。いつの間にか自分の中にブルーベリーの標準サイズがインプットされた。おかげで、瞬時に大きさの判断ができるようになってきた。疾病は多種多様である。形を覚えようとしても難しいが、たくさんの正常(標準)を見ていると、「何かが違う」事がわかるようになってくる。ブルーベリー摘みは奥が深い。私に仕事の教えを説いてくれた。
今年は、多くの知人にブルーベリーを届けることができた。喜んでいただける幸せ。また、ジャムを作るのも楽しみのひとつ。添加物なし。これも母や友人に届けた。もちろん、そのまま食す楽しみもある。
今年はいつまで収穫できるのだろうか?汗だくになりながらブルーベリーを摘むことができる季節も、もうすぐ終わってしまう。寂しい限りだ。