卑弥呼の歯がい~ぜ

歯科衛生士の土方です。
数年前に健康管理士一般指導員の資格を取得しました。その時使用したテキストに「噛む」ことの大切さを伝える内容がありましたので、少し紹介したいと思います。

食べ物をよく噛むのは当たり前のことに思われますが、最近は柔らかい食べ物が増え誰しも昔ほど噛まなくなっています。特に子供たちが大好きなハンバーグやカレーライスなどは、あまり噛まなくても食べられるため「噛まない・噛めない」子供が増え、顎の発育不全や歯列の乱れが多くみられるようになってきました。

日本咀嚼学会によると、現代人は一回の食事で平均 620回噛んで食べていますが、邪馬台国の卑弥呼の時代では、一回の食事で平均 3,990回も噛んでいたそうです。調理法も未発達で食べ物のほとんどが硬くよく噛んで食べざるを得なかったわけですが、自ずと当時の人々は顎がよく発達し虫歯もほとんどなかったようです。

このことからよく噛んで食べていた卑弥呼の時代にあやかり「噛む」ことの8つの大きな効果を頭文字をとって『卑弥呼の歯がい~ぜ』という標語を作り、噛むことの大切さを伝えています。

【ひ】→肥満の防止
咀嚼することで満腹中枢を刺激し過食を防ぎます

【み】→味覚の発達
よく噛むことで味覚が刺激され本来の味がわかるようになります

【こ】→言葉(発音)の発達
よく噛むことで口腔周囲筋が発達し発音がはっきりしてきます
表情筋も発達して顔の表情も豊かに若々しくなります

【の】→脳の発達
よく噛むことで脳細胞が活性化され子供はより賢く、大人は脳の老化進行の防止につながります

【は】→歯の病気予防
よく噛むことで唾液の分泌が促進され虫歯や歯周病を予防します

【が】→ガンの予防
唾液に含まれる酵素(ラクトペルオキシターゼ)には発ガン抑制効果があるといわれています

【い】→胃腸快調
よく噛むことで胃腸の負担を和らげ活動を活発にします

【ぜ】→全身のパワーアップにもなる
しっかり噛んで食べることで全身に力が入り体力や運動能力の向上につながります

よく噛んで食べるということは、歯のみならず全身の健康にまで関わる重要なことなのです。