「茶色の朝」を迎えないために

歯科衛生士 古田喜代子

昨年の暮れ、友人とお芝居を観に行きました。
小川未明の『赤い蝋燭と人魚』のお話は昔読んだことがあったが、年とともにこんなに感じ方が違うのかなぁと思いながら人間のエゴイズムについて考えさせられました。

もう一つが『まほうのたね』作:山谷典子(フランク・パブロフ『茶色の朝』より)。
おはなしは70年後に咲くという不思議な種をもらった二人の少女。今日はその花が咲く約束の日ですが、二人が目にするのはどんな色の花なのでしょうか・・・・・?
『茶色の朝』はフランスの寓話で「茶色」はファシズムの色。この本はわかりやすい言葉で、おかしいと思ったこと、小さなことをやり過ごしていると、いつの間にか茶色の朝を迎えてしまう怖さが書かれています。
昨年は「戦後70年」という言葉を多く目にしたが、少なくても日本の国内で戦争が起こっていない70年の歳月の重みをしっかりと胸に刻みたい!!

孫たちと同居して2年4か月。昨年の7月にスープの冷めない距離(歩いて5分)に引っ越していきました。子どもたちの成長には目を見張るものがあるが、その子たちが平和に、ノビノビと暮らしていけるような世の中にしていく責任は大人たちにあることをあらためて実感した昨年のいろいろな出来事でした。

お正月には今年の3月で93歳になる母の所に毎年姉妹たちが家族と共に集まっています。いつまで続けられるのかと思うが、このところ起立着席訓練のせいかどうか少し足元がしっかりしてきたのではと感じています。よく噛んでいろいろなものを食べられているのがやはり力の源になっていると思うと、訪問口腔ケアの仕事を通して一人でも多くの方々に食べる喜びを届けたいとの思いを新たにしました。