SHTAセミナーin台湾

院長の長谷川です。

今年もSHTAセミナーの一つとして、中国医薬大学、校友会主催による学術講演会で症例報告する機会をいただきました。昨年は装置を使用して、どのように拡大が進んでいくかを中心にスライド製作を行いましたが、今回は矯正との違いを伝えるためのスライド製作になりました。

私がSHTAに入会した理由は、いわゆる矯正を学びたかったからです。でも、症例を重ねていくと、何だかもっと違うものが見えてくるようになりました。歯列、咬合が口腔環境を悪化させ、全身に影響をもたらしていると思われる症例にであうようになったからです。おそらく私の歯並びに対する見方が変わってきたからでしょう。だから、「歯が重なっていて(叢生)見た目もよくないし、虫歯や歯周病になりやすいから矯正したほうがいいですよ」というような説明はしません。矯正医に変な顔をされそうですが…歯列・咬合の影響は、口腔機能、形態・審美性、精神生理学的機構などに及んでいると思われます。
そして気づいたことは、審美の改善は機能の改善ではないという事です。機能と形態は相互に影響しあっています。すなわち原因と結果の関係です。
装置を使用することで、本来の正常な環境を再現することがSHTAの目的であり、良い環境を与えれば、人は自然治癒能力により本来なりたかった状態になっていくものです。この装置はあるべき姿になる手助けをする装置だと思いますし、それは生体を健康に導くものです。この治療法は審美を目的とした矯正とは明らかに違うものです。

台湾では、昨年に続き2度目の講演でした。
私としたことが、緊張してスライドをとばしてしまいました。今回は、講演以外に懇親会で着物を着ることになりました。可能なら1日34時間欲しいと思って生活している私は、こういうきっかけでもないと着付けを学ぶ行動に移せません。私が幼いころ、母はよく着物を着ていました。鶴や百人一首が描かれた着物や寿や能面の帯など、子供心に母の着物姿はとてもきれいでかっこよく憧れを抱いていました。だから、いつかは着付けを習いたいと思っていました。従姉に無理をお願いし、休診日の木曜日は午前中往診、午後から帰省して着付けを習うという生活が続きました。そして、毎日1回着物を着る練習をするという生活が続きました。

幸いにも、通訳をしてくださる方の奥様が着付けができるという事が判明し、一人で着付けをするという重圧から逃れる事が出来ました。当日は、台湾の美容師さんに髪をアップにしてもらい、お気に入りのかんざしを挿し、着物を着て懇親会に出席させていただきました。

台湾で接した方々は、誰も陽気で親切で、礼儀正しい方ばかりでした。4度目の台湾でしたが、ますます台湾が好きになりました。

今年は、中国医薬大学同窓会から立派な感謝状をいただき、待合室に飾らせていただきました。それに恥じることがないよう、ますます切磋琢磨して学んでいこうと思いました。今回も、緊張あり、笑いあり、思い出深い台湾セミナーになりました。